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【戦術レポート】アトレティコ vs ユベントス|CLベスト16、第1戦

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試合概要

チャンピオンズリーグ ベスト16 1st leg
アトレティコがホームに、国内リーグ24試合負けなし(引き分けも3試合だけ)のユベントスを向かえ打つ一戦。
実力としてはユベントスの方が若干は上だが、強敵に強いアトレティコもお得意の堅守カウンターでなんとかホーム戦をものにしたいというところだと思います。
お互いに勝っておきたい一戦だと思うので、スコアが動く試合になりそうですが、アトレティコが先制して試合を優位に運ぶとアトレティコの11人全員での堅守を前に手も足も出ない状態になりかねないと思われます。
 
 

前半

 
ユベントスが4-3-3、アトレティコが4-2-2。
どちらも、通常通りのフォーメンションでしょう。
どちらもベストメンバーに近い布陣での真っ向勝負といったところでしょうか。
 
アトレティコは、DFとMFの4-4のラインをゴール前に敷いた堅守からのカウンターがお家芸の典型的な堅守速攻のサッカー。
一方、ユベントスはポゼションによってイニシアチブをにぎるようなサッカーを狙うチームです。
 
 

ユベントスのビルドアップ

 
ユベントスのビルドアップの局面では、グリーズマンとジエゴ・コスタの2人がユベントスのCBとDMの3人にプレスをかけ切るので、GKからCBへのパスの後必ず詰まります。
 
キエッリーニとボヌッチがGKの横の高さまで下がって開けば、ピアニッチの所で起点を作って、ビルドアップできそうですが、そういう形でリスクを背負うことはしないようです。
 
むしろ、FW3人は自由に動き回る中で、ぽろっとアトレティコのMFとDFとの間でマークの受け渡しが上手くいかなかったところにボールを入れて、そこから起点を作っていこうという狙いのようです。
 

ユベントスの崩し

 
ユベントスはビルドアップに成功して、攻め込んだ際に面白いフォーメンションを取ります。
右SBのデ・シーリョが右DMのようなポジションに入って、ボールを受けて起点となります。
一方で、左SBのアレックスは左WGのような位置に入り、アレックス+FW3枚でアトレティコの4バックと噛み合う形になります。
 
一方、デ・シーリョのところで起点を確実に作るためには、コケのマークを引きつける必要があり、主にディバラ、時々ベンタンクールが代わりにサイドに張りに来ます。
アトレティコのDFとMFの4-4のラインはかなり堅いので、デ・シーリョとキエッリーニの所で起点を作って、アトレティコのSMが出てきたらそのスペースを突いていこうという狙いでしょう。
 
とは言っても、アトレティコは4-4のラインをほとんど崩さないゾーンディフェンスなので、この起点からの攻め手には困っている印象です。
 
 

アトレティコのビルドアップ

アトレティコはいつも通り、ほとんどビルドアップをしません。
自陣付近のスローインなどは一度CBに渡しても、そのあとは安パイに前線にロングを放り込みます。
アトレティコは、リスクを冒さないことに徹底しています。
 
 

アトレティコの崩し

 
ビルドアップをしないアトレティコの崩しは、基本的には2パターン。
・いい位置でボールを奪った後のカウンター
・後ろからのロングボールをなんとかマイボールに抑えて、そこからの速攻
 
ユベントスのFW3枚はあまり守備に参加しないため、フェリペ・ルイスとファン・フランがオーバーラップしボールを受けると、ユベントスはCMを出して、バイタルエリアをピアニッチともう片方のCMの2枚で守る形になります。
 

 
アトレティコのDM2人がボールを持ち、そこの中盤2枚のうち1枚が出るとバイタルエリアにユベントスの中盤が1人と手薄になるので、そのスペース(白い部分)にジエゴ・コスタが引いてきたり、コケやボールを受けてチャンスになるシーンが何度かあったので、
アトレティコのSBがボールを持った時に、中盤3枚はどのように対応できるのかがこの試合の見どころになると思います。
 
アトレティコのDMを自由にさせて、ゴール前を4-3のラインで閉じてしまうのか。
それとも、CFにDMをマークさせる安全策を取るのか。
はたまた、DF4枚にFW+SMの4枚、MF3枚にDM2枚とSB1枚の人数ぴったり余りなしで対応する形でリスクをとって、その分FW3枚を前線に残してカウンターに望みを繋げるのか。
 
 

前半まとめ

前半は、ユベントスのポゼッションvsアトレティコの堅守速攻というお互い自分の持ち前の戦術を順当に発揮してきた形。
ユベントスが変則的なSBのポジショニングで起点は作るも、アトレティコもそう簡単にゴール前の4-4のラインを崩さず、ポゼッションからの攻めてはほとんどない状態。
一歩でアトレティコもユベントスも、いい位置でボールを奪った形からのカウンターで何度かゴール前に迫る形の方がチャンスはあったような印象です。
 
そういう試合展開だと、アトレティコの方が堅守速攻のお家芸が効いている+ホームの利を考えて優勢なのではないかと思います。
しかし、ユベントスも前線3枚が自由に動いてフリーになる機会が幾度となくあったので、そこからチャンスを掴む可能性は十分にあると思います。
 
アトレティコとしては、後半もいかにこの優勢を保ちつつ、守備時に前線3人を捕まえるか。
ユベントスとしては、攻め込まれた際の中盤の数的不利をいかにカバーするか。
ユベントスとしてはアウェーとはいえど、ある程度はリスクを冒して勝っておきたい試合ではあると思うので、アトレティコのDMに前線の選手を下げてマークを突かせる選択はしたくないところだと思います。
 
後半、ユベントスはどこまで勝ちにこだわってリスクを冒してくるのか注目です。
 
 

後半

 
共に選手交代はなし、大きなシステムの変更もなしです。
お互いにどこに細かい修正を加えて来たのかというところに注目していきましょう。
 

ユベントスのビルドアップ

前半に比べてアトレティコの攻撃がよりカウンター中心になり、カウンターを仕掛けてはすぐに自陣に素早く戻り、仕掛けては素早く戻りの繰り返しになったので、ビルドアップの機会は少なくたった。
というより、簡単にハーフラインまでは進むので、ビルドアップする必要がなくなった。
 
 

ユベントスの崩し

 
前半と同じ。
デ・シーリョとキエッリーニが起点になるので、前線3人が動き回ってマークのズレを作ってそこから崩していく。
 
特に後半では、FWの一人が左サイドの低い位置に落ちて来て、アトレティコのSBとSMの2枚がそのFW、左CM・マテゥイディ、左SB・アレックスの3人を見る形になる機会が多くなった。
そこの数的優位から崩していこうという狙い。
 
 

アトレティコのビルドアップ

前半と同じく、基本的にはビルドアップはせず。
CBがボールを持っても、簡単に前線にボールを放り込む。
 
 

アトレティコの崩し

 
前半4分のところで、クリアボールをグリーズマンが拾いジエゴ・コスタの裏に一本スルーパスでチャンスを作ったように、
ポゼッションで後ろが手薄になるユベントスに対して、カウンターを仕掛けていくのが基本的な狙い。
ここで、このカウンターを防ぐためにキエッリーニとデ・シーニョが高い位置に出れなくなると、攻め込んだ際の起点が低くなるので、アトレティコは守備が楽になる。
逆に、この2人が怯まずにキエッリーニがしきりに高い位置に来るなら、どんどんカウンターを狙っていく構えでしょう。
 
実際には、ユベントスは怯まず起点を高い位置にしてきたので、
ユベントスはどんどんポゼションからリスクを冒して崩しにかかり、
アトレティコはどんどんカウンターを狙っていく
という展開になりました。
 
 

交代

ユベントスが前に人数をかけてくるのなら、長い距離のカウンターを仕掛けていこうということで、
・ジエゴ・コスタ → モラタ
・トーマス → トマ・ルマル
とスピードのある選手を2人投入し、
・コケ → コレア
と中盤を1枚フレッシュにして、中盤からも1人は攻撃参加させていこうという狙いでしょう。
 
結局はセットプレーから2点だったので、ロングカウンターが直接ゴールに結びついたわけではありませんでしたが、
狙いとしてはそういったところだったのでしょう。
 
 

試合まとめ

ボールを保持するユベントス vs カウンターを仕掛けるアトレティコの戦いでしたが、
最終的にはアトレティコがセットプレーから2点を叩き込んで運良く勝った試合でした。
ですが、アトレティコはVARで消されたモラタの得点や後半開始5分のジエゴ・コスタが裏抜け出したシーンなど、決定的なシーンも他にもあったので、
やはりアトレティコが優勢で、順当に勝った試合だと思います。
 
後半ラスト15分で先制してから、試合を勝ち切る旨さはやはりアトレティコは見事だと思いますね。
1点を取られた途端に、グリーズマンは無理なスルーパスは出さなくなるし、
SMとSBとグリーズマンの3人で小さく回しても意外といなしてボールは取られないし、
ユベントスがどれだけ人数を掛けてこようとも、11人でがっちり守る守備はそう簡単には崩さない。
 
1点でしっかり勝ってしまうのがシメオネ率いるアトレティコの恐ろしさでしょう。
逆に、先制されて守られると手も足も出なくなるのですが。
 
次節・2legは、アトレティコとしてはアウェーといえど1失点以内に守りきれば勝利という試合になります。
アトレティコの堅守 vs ユベントスの意地の猛攻 の構図が楽しみになるでしょう。
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